トガヒミコ。
『僕のヒーローアカデミア』に登場するヴィランのひとりで、常に笑みを浮かべながら敵に迫る姿が印象的なキャラクターです。
彼女は“血”を愛する少女。
好きな人の姿になれる“個性”を持ち、その人の血を飲むことで変身できます。
その特異な性質ゆえに、彼女の“好き”は周囲から理解されず、「異常」とされ、拒絶されてきました。
でもその内側には、「好きな人になりたい」「好きな人と繋がっていたい」という、
とても純粋な想いがあったのです。
幼少期から否定され続けた“愛のかたち”
小さな頃から、トガちゃんは他の子とは違う感性を持っていました。
好きな人の姿になりたい――そんな願いを口にしただけで、
家族にも学校にも気味悪がられ、傷つく言葉を浴びせられます。
本当はただ、誰かを大切に想う気持ちを持っていただけ。
けれどその“愛し方”を周囲が受け止められなかったことで、
彼女は徐々に「普通」から遠ざかっていってしまいました。
やがて社会から居場所を失い、彼女は“ヴィラン”として生きる道を選ばざるを得なかったのです。
最後に救ってくれたのは、ひとりのヒーローだった
そんな彼女に最後まで向き合ってくれたのが、ヒーロー・麗日お茶子でした。
お茶子は、敵であるはずのトガちゃんの“好き”を否定せず、
「その気持ちは、本物なんじゃないか」と受け止めようとしました。
はじめてでした。
トガちゃんが誰かに、自分の気持ちをまっすぐ見てもらえたのは。
そして彼女は、最期の戦いの中で、自分の命をかけてお茶子を救います。
血を使い、大切な人を助けるという、彼女なりの「ありがとう」。
それは、敵としてではなく、
ひとりの女の子としての優しさだったのだと思います。

トガちゃんが最後に見せた笑顔を、私は忘れない
トガちゃんは、ただ愛したかっただけの少女でした。
歪んでしまったのは、周囲の冷たさと理解のなさ。
もし誰かがもっと早く、彼女の心に寄り添ってくれていたら…そんな“もしも”を想わずにはいられません。
でも、最後の最後に救われたトガちゃんは、
きっと“ほんとうの自分”に戻れたんじゃないかと思います。
彼女の“好き”は、間違っていなかった。
そう感じさせてくれるラストでした。
